絶滅動物は蘇らせるべきか?

絶滅動物は蘇らせるべきか? ブリット・レイ 高取善彦訳 双葉社 ISBN978-4-575-31525-7 2,000円 2020年1月

 絶滅動物の蘇りをディ・エクスティンクション(de-extinction、逆絶滅)として、それに対する解説を試みる。ジュラシック・パークのように絶滅生物のDNA からの全面復活は、まだまだ夢の話で(そもそも更新世ばかりか最近絶滅した動物の破損されていないDNA採取は難しいらしい)、現在試みられているのは現存する似た動物の形質を絶滅動物に近づける、あるいは絶滅動物に近い種を掛け合わせて「復活」させるというものらしい。まあ、核から採取したDNAはあったとして、ミトコンドリアは?

 表紙にあるように、倫理面、リスク、また法的な面などの課題も多い。だが、「善意」で暴走する科学者(チーム)も出てくるに違いない。たしかにその前に、議論は必要だと思う。

 筆者は科学番組の製作をしたり、司会をしたりしている人らしい。この本は、様々な人たち(様々な立場から絶滅動物を復活しようとしている人たち、反対のひとたちなど)へのインタビューと、それについて考えたことを書いている。しかし、正直冗長すぎる。まるで、科学番組のシナリオを見ているよう。本文は430ページを超える大部であるが、簡潔にまとめれば2/3以下に収まると思う。

 それでも、ロシアのジモフ父子の「更新世動物園」構想のエピソードなどは面白い。

目次

ジョージ・チャーチによる序文
序章
第1章 ディ・エクスティンクションの方法
第2章 なぜ、ディ・エクスティンクションは必要なのか
第3章 再生の有力候補はどんな種か。それはなぜか
第4章 なぜナガゲマンモスを再生するのか
第5章 数十億羽のリョコウバトは蘇るのか。蘇るべきか
第6章 この新しい野生は、どのように規制しうるか
第7章 ディ・エクスティンクションは絶滅危惧種を救えるか
第8章 危険すぎる知識というものはあるか
謝辞
訳者あとがき

 

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2020年2月記

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