おもしろサイエンス 火山の科学 西川有司 日刊工業新聞社B&Tブックス ISBN978-4-526-08050-0 1,600円 2020年3月
火山の科学の紹介本。筆者はこの「おもしろサイエンス」シリーズでたくさんの本を書いている。読むのこの本が初めて。
いろいろ気になる記述が多い。たとえば、マグマが地上まで上昇しきれず地中で岩石化したものが花崗岩(花こう岩)とか(p.7、花こう岩→深成岩)、地球内部の熱は溶けた重い金属が沈む際に生ずる重力の熱と内部に存在する放射性元素からの崩壊熱とか(p.10、重い金属が沈んだのは地球形成のごく初期のことなのに現在も続いているよう)。まあ、p.134の「(浅間山1783年噴火の)20年後」は単純な校正ミスだが。p.58で溶岩湖の調査は行われていないような記述もあるが、実際は行われているし。
びっくりは、p.120の「放射性廃棄物をマグマで処分できるかどうか、実験室レベルでまず試みる必要があるでしょう。」。放射能が熱でなくなると思っているのだろうか。
火山の本は他にも種々あるなかで、とくにこの本を推す必要はないと思った。
※ 目次は裏表紙にあるので省略。
※ 画像はクリックすると拡大します。戻るときはブラウザの“戻る”ボタンをお使いください。
2020年4月記