江戸の間取り

江戸の間取り　安藤優一郞　彩図社　ISBN978-4-8013-0424-6　1,300円　2020年1月

　江戸城の間取りから、庶民が暮らす裏長屋の間取りまで。江戸城はもちろんだが、大名屋敷の敷地の広大さもすごい。ただ、今のライフスタイルからすると、部屋の使い勝手は悪そうだ。あと、一部を賃貸にしていたとも。

　裏長屋は日当たりも悪く、間口2.7 m、奥行き3.6 mの9.72 m^2（約3坪（6畳））、土間をのぞけば4.5畳、場合によってはそこに夫婦、さらには子供も住むことになるので、たしかに狭い。それ以上に、共同井戸とトイレ、ゴミ溜が隣接しているので衛生状態も悪い劣悪な環境だった。そこに数十万人の町人が住んでいたことになる。そもそも百万都市だった江戸の土地の70％が武家、残りを町人と寺社で半分ずつという割合だったという。