「おしどり夫婦」ではない鳥たち

「おしどり夫婦」でない鳥たち 濱尾章二 岩波科学ライブラリー276 ISBN978-4-00-029676-2 1,200円 2018年8月

 鳥のつがいの形は一夫一妻、一夫多妻、一妻多夫といろいろあるが、いずれにしてもつがい外交尾も多いという。以前オシドリの研究でも聞いたことがある。理由は雄はできるだけ自分の子孫を残そうとし、また雌はできるだけ健康な雄の子を自分の子として得たいということらしい。そのためには“子殺し”(ほ乳類のライオンやハルマンラングールは雄だが、でも鳥では雌の場合も)もあるという。

 この本ではつがい外交尾のほか、托卵の話題も取り上げられている。また、鳥では一般的に雌の方が寿命が短いが、それはほ乳類の性は雄がXY、雌がXXなのに対して、鳥は雄がZZ、雌がZWなので、性染色体が同じ方が生存に不利な形態が出にくいからではないかという説も紹介している。さらに一部の鳥では、ある程度雄・雌の産み分けもできているようだという話もある。

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2019年5月記

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