日本列島100万年史

日本列島100万年史 山崎晴雄・久保純子 講談社ブルーバックスB2000
ISBN978-4-06-502000-5 2017年1月(2018年12月第11刷) 1,000円

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 沖縄を除く、日本の各地を100万年史をまとめたもの。すごく正直な感想はあまり面白い本ではないというものです。

 きっと著者たちがまじめ(すぎる)ということもあると思います。図が詳しすぎて、つまり専門書からそのまま持ってきているものが多いので、新書サイズでは図が細かくなりすぎて見えない、また本文には図のあまり詳しい説明がないのでわかりづらいということがあります。つまり情報量が多すぎる図で戸惑います。もっと“ポンチ絵”(本質だけの絵)でいいのにと思います。また専門用語が突然出てきて(一応わかりますが、一般読者は?)その説明はかなり後になるとかもあります(たとえばp.142に「プリニアン噴火」が出て来ますが、その説明がp.160とか)。

 内容的には東海道の足柄路の閉鎖を「何らかの理由で」としていますが、素直に富士山の延暦の噴火(800年〜802年)が原因としていいと思います。また、838年神津島の爆発で島民全滅、さらにその50年後に新島噴火で島民全滅とあります。噴火は事実ですが、全滅の確認を取れませんでした。あと、熱雲と火砕流は違うと書いておきながら、その説明がないなどもあります。

 ということで、あまりお薦めできる本ではないです。

目次
第1章 日本列島はどのようにして形作られたか
第2章 北海道
 2・1 大雪山と氷河期
 2・2 石狩平野と泥炭地
第3章 東北
 3・1 三内丸山遺跡と縄文海進
 3・2 奥羽山脈と三陸リアス式海岸
第4章 関東
 4・1 関東平野はなぜ広いのか
 4・2 武蔵野台地と東京低地
 4・3 天下の険、箱根火山
 4・4 御殿場泥流と足柄平野
第5章 中部
 5・1 富士山はどうして美しいのか
 5・2 日本アルプス
第6章 近畿
 6・1 近畿三角帯──京阪神と中京の地形
 6・2 神戸と兵庫県南部地震
第7章 中国・四国
 7・1 西南日本と南海トラフ
 7・2 瀬戸内海と中国地方
第8章 九州
 8・1 九州シラス台地と巨大火砕流

2019年2月記

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