虚数はなぜ人を惑わせるのか 竹内薫 朝日選書 ISBN978-4-02-295028-4 750円 2019年8月
筆者は日本では数少ないサイエンスライター。とくに、物理、数学系が得意。なのでこの本も、お手軽に読める割には奥も深い。オイラーの等式e^iπ+1 = 0や、ホーキングの虚数時間までも出てくる。
高校数学で複素平面が出てきたときは、便利だと思った。つまり三角関数の加法定理とか公式を暗記せずにすむようになるから。高校数学は文科省の学習指導要領改訂のたびに、複素平面と行列が交互に入れ替わるらしい。つまり、複素平面を習う世代は行列を習わないし、逆もまた。たしかに、高校数学に割り振られる時間数の中で、両方は難しいと思うし、またどちらとも優劣を付けられるものではないので、やむを得ないかもしれない。
虚数を習ったときの感想は、面倒なことは“定義”してしまえば便利に、また統一的に扱える・解釈できるようになる、それが数学かというものだったような記憶がある。
目次
プロローグ
第1章 虚数はどこに存在するのか?
シュレ猫コラム:いろ〜んな数
第2章 人類の想像を超えて発展した数学
シュレ猫コラム:無限の発見と探求
シュレ猫コラム:なぜ欧米人は7に線を入れるのか
第3章 ネコでもわかる虚数の性質と成り立ち
シュレ猫コラム:世界一簡単にわかる虚数の計算方法
第4章 数学を合理的に再構成する
シュレ猫コラム:ややこしいナントカ進法
シュレ猫コラム:格子の方法
シュレ猫コラム:分数で割るときは「逆さにしてかける」?
第5章 読んだらハマる関数の世界
第6章 もっとも美しい数式・オイラーの等式と虚数
シュレ猫コラム:オイラーWHO?
シュレ猫コラム:指数関数と三角関数の深い関係
シュレ猫コラム:なぜオイラーの等式が美しいのか
済7章 ホーキングの虚時間の宇宙
シュレ猫コラム:質量と重さの違い
エピローグ
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2019年8月記