ダーウィンの「種の起源」

ダーウィンの「種の起源」 サビーナ・タデヴァ 福岡伸一訳 岩波書店 ISBN978-4-00112678-5  2,300円 2019年4月

 これは絵本だが、大人が読んでもいいと思う。ダーウィンの考え方をわかりやすく絵(図)とともに解説している。“進化”は現代科学の重要な概念の一つだと思う。
 分量の関係からか「ビーグル号の航海」の話はまったく出てこないが、こちらも単独で絵本にしてほしい。

 解説でアルフレッド・ウォレスのことも出ている。しかし、進化論といえばダーウィンというようになったのはやはり、心霊主義への傾倒とともに、人類の進化、人類の知的な能力については<目に見えない宇宙の魂(知的創造者?→現在のインテリジェント・デザインにつながる?)>と考えたためだろう。さらに人種差別(ゲルマン主義)もある。つまり彼の個々の業績は大きくても、現代科学の主流にはつながらない。ダーウィンはその点は冷静だった。
 解説ではもう一つ、エピジェネティクス(後成遺伝)も取り上げられている。このあたりはよくわからない。

 簡単にまとめられた生命の歴史。

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2019年5月記

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