対話 私はもう中国を語らない 武田泰淳・堀田善衛 朝日新聞社
1973年3月 540円
二人の対談は日中国交回復時、壮大な党内党派権力闘争でしかなかった“文化大革命”がようやく終焉しようとしていたとき(林彪が死んだとき、その真相は今でも闇)という背景。当然、武田泰淳は“文化大革命”が権力闘争でしかないことはわかっている、わかっているが中国は見捨てられない(負債を負っている)。堀田善衛はもうちょっと能天気。二人とも進行する事態(文化大革命→ニクソン訪中、角栄訪中)に戸惑いながらも、“左翼的対応”を模索しているという感じ。
戦後の上海で、堀田善衛が李香蘭(山口淑子)と同じアパートにいたことを初めて知った(満映のスターなので満州(当時)にいたと思っていた)。李香蘭は戦犯、でも山口淑子は無罪という中国側の“知恵”で、山口淑子は日本に戻れることに。
それにつけても“文化大革命”はすごかった。とても日本の“広島戦争”どころではない、正真正銘の“仁義なき戦い”。
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2018年3月記