マンボウのひみつ

マンボウのひみつ 澤井悦郎 岩波ジュニア新書859
ISBN978-4-00-500859-9 2017年8月初版 2017年12月第2刷 1,000円

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はじめに
マンボウ図鑑/マンボウなんでも博物館/マンボウ料理I 体のつくりを徹底解剖
1 マンボウが魚であることの証明/2 マンボウのかたち/3 マンボウの解剖(内部形態)
 ○トピック 1 魚の絵や写真はなぜ左向き?/2 魚の模様と方向/3 魚の計測/4 どっちが雄でどっちが雌?
II 化石もあるマンボウの仲間
1 「マンボウの何が知りたい?」アンケート/2 種と分類/3 和名と学名/4 現生種と化石種/5 現在も存在する種/6 現在は存在しない種/7 マンボウはフグの仲間/8 フグはどうやってマンボウに進化した?
 ○トピック 5 沖縄にいる赤いマンボウとは?
III ウシマンボウの謎
1ずっとマンボウが好きだった/2 分類の世界的基準/3 マンボウ研究は難しい/4 広島大学初代マンボウ研究者の時代/5 二代目の時代/6 三代目の時代
 ○トピック 6 生き残った個体
IV バイオロギングが暴く生態の謎
1 可能性のツール「バイオロギング」/2 疑問を持つことから研究は始まる/3 浮力はどこから得ているのか?/4 尾鰭なしでどうやって泳いでいるのか?/5 「のろまなマンボウ」は本当か?/6 東日本大震災に負けない/7 バイオロギングが解き明かした謎/8 昼寝の謎/9 回避の謎
 ○トピック 7 分類屋vs.生態屋/8 魚も寝る
V みんな気になる生態の最新情報
1 天敵・捕食者/2 摂餌・食性/3 寄生と共生/4 分布域/5 成長過程/6 成熟・産卵/7 視野・視力/8 重さ・長さ
 ○トピック 9 鰓に入り込むコバンザメ
VI マンボウと人がつむいできた歴史
1 マンボウ塚/2 人類最古のマンボウの記述と絵/3 学名の語源/4 日本最古の記述と絵/5 「マンボウ」という名が全国普及した理由/6 和名の語源と命名者/7 水族館の挑戦/8 変わりゆくイメージ/9 絶滅危惧種指定/10 食材としての歴史と可食部位/11 食卓のマンボウ/12 毒はあるのか? 薬効は?/13 漁獲方法と数え方
 ○トピック 10 マンボウの地方名/11 町のシンボル
Z マンボウの民俗今昔―伝承から都市伝説まで
1 夜に光り輝く?/2 禁忌/3 大漁祈願/4 魚をいやす海の医者/5 おぼれた人を助ける/6 死ぬ瞬間に目を閉じる/7 切り身は一晩放置すると水になって消える/8 死因にまつわる都市伝説/9三億個産み生き残るのは二匹/10 ライフル銃でも貫通しない?――皮膚は弱いのか?
 ○トピック 12 マンボウを研究するには?
おわりに
マンボウが見られる水族館/図版出典・提供/参考文献

 不思議な魚マンボウについての本。筆者は若き研究者。まだ任期付きらしい。定職に就くことができるだろうかと心配。ライフルで撃たれても貫通しないを正しいとしているが、これはどうだろう。いくら皮膚が硬いといっても。あと「マンボウは弱い」という“都市伝説”については、飼育が難しい(難しかった)ということが大きいと思う。方向転換が難しい魚のため水槽に保護シートを垂らしてぶつかるのを防ぐというノウハウが確立されてからは、いろいろな水族館で飼育されるようになっている。

2018年2月記

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