経済史

経済史 小野塚知二 有斐閣
ISBN978-4-641-16515-1 4,000円 2018年2月

序章 経済史とは何か
T 導入──経済,社会,人間
 1 経済成長と際限のない欲望/2 欲望充足の効率性と両義性
U 前近代──欲望を制御する社会
 3 総説:前近代と近現代/4 共同体と生産様式/5 前近代社会の持続可能性と停滞/6 前近代の市場,貨幣,資本
V 近世──変容する社会と経済
 7 総説:前近代から近代への移行/8 市場経済と資本主義/9 近世の市場と経済活動/10 近世の経済と国家/11 近世の経済規範/12 経済発展の型
W 近代──欲望の充足を求める社会・経済
 13 産業革命/14 資本主義の経済制度/15 国家と経済/16 自然と経済/17 家と経済/18 資本主義の世界体制
X 現代──欲望の人為的維持
 19 近代と現代/20 第一のグローバル経済と第一次大戦/21 第一次大戦後の経済/22 第二次世界大戦とその後の経済/23 第二のグローバル化の時代
終章 「現在」「未来」をどう生きるか

 筆者である小野塚氏から送られてきた本。自分の「君たちの地球は…」(麻布文庫、2011年)を参考文献に挙げたためだと思う。帯にあるように、「経済はなぜ成長するのか?」「人類はいかにして十万年もの間、生存してきたのか?」、…、「人類が到達した文明は持続可能か?」などの問題を提起して、その解答を探ろうとする。経済の歴史であると同時に、経済学の歴史でもある。基本的に大学生向けの本であろうが、高校生や社会人にむいていると思う。

「社会主義」(共産主義?)国家が崩壊した、あるいは政治では一党独裁を保ちつつ経済は資本主義に変貌した国家になった今日、ただこれは資本主義が相手の崩壊によって生き残っているだけで、資本主義の今後を保証するものではないことは明らかだと思う。では今後はというと、まだ誰もその展望を切り開くことができないでいると思う。

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2018年2月記

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