岩石はどうしてできたか 諏訪兼位 岩波科学ライブラリー269
ISDN978-4-00-029669-4 1,400円 2018年1月
はじめに
第1章 水成論の師を超えて火成論へ
鉱物学の華麗な登場
ヴェルナーの体系的な地球生成発展史
フランス革命とフランス地質学の発展
エジンバラのハトン
層序学の父 独学のスミス
保守的な地質学者ライエルの斉一説
第2章 火山から噴き出す岩石
ローマ神話の鍛冶屋の神様
火成岩とマグマ
偏光顕微鏡の登場とドイツの黄金時代
火成岩のもとになるマグマの結晶分化作用
巨人ボーエンと実験岩石学事始め
ボーエン以後の火成岩成因論の展開
玄武岩質マグマの発生の高温高圧実験
安山岩質マグマの発生と混合
第3章 マグマが地下で固結した岩石
マグマ論者と変成論者
花崗岩成因論と同位体
花崗岩の分類と成因論の展開
一連の火山岩と深成岩の見事な複合岩体
オフィオライトの成因
斜長岩の種類
マントルでじわりとできるカーボナタイト
マントルを急上昇するキンバーライト
月の岩石学事始め
第4章 堆積岩や火成岩を変える変成作用
いつでもできる片麻岩
広域変成作用の主役は熱か動力か?
スイス学派の折中説
累進変成作用を解明した独学のバロー
北欧ノルウェーの巨人ゴルトシュミット
北欧フィンランドの巨人エスコラ
変成過程で物質は動くのか?
戦中の海賊版と戦後の高温高圧岩石学
第5章 日本における変成作用の研究史
戦前の変成作用の研究史 小藤文次郎から小林貞一へ
戦後の変成作用の研究史 小島丈兒から都城秋穂へ
おわりに
参考文献
この本は、「岩石はどうしてできたか」を平易に解説する本ではない。「『岩石はどうしてできたか』という科学はどうしてきたか」を述べた本、つまり岩石学の歴史を書いた本である。筆者は朝日歌壇の常連、またこの本の挿絵(岩石学者の似顔絵)も本人描いている。
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2018年1月記