東洋遍歴記1 メンデス・ピント 岡村多希子訳 平凡社東洋文庫366 1979年11月 1,500円 |
東洋遍歴記2 メンデス・ピント 岡村多希子訳 平凡社東洋文庫371 1980年2月 1,500円 |
東洋遍歴記2 メンデス・ピント 岡村多希子訳 平凡社東洋文庫373 1980年3月 1,400円 |
内容は腰巻きの通り。自分の体験(当時としては希有の体験)をベースに誇張と妄想を膨らませた、ほんとのホラと思われる本。日本の記述に興味があったが、そのときはもう「冒険」の終わりころ、修道士として来ているのでそう面白い話はない。だだ、ゼウスと大嘘の音が似ていると坊主(ボンゾ)に指摘されたりとか、豊後の殿様の妻女たちに(箸を使わず)手で直接食事するところを見せて欲しいと頼まれて実演したりとかいう話も出てくる。現在の大分市が当時は府中だったりは当然史実通り。ただ興味深い、宣教師と坊主の宗教論争についてはこの本ではわからない。ザビエルやフロイスとともに日本に来たこともあるらしい。
この本をもっと早く読んでおけばよかったと思うのは、「地震・津波・噴火の歴史」を書いたとき、1596年の大分での地震津波の目撃者談として津波の高さの単位”プラザ”が出てきて、それが現在の長さではどのくらいかまったくわからなかったのが、この本ではあっさりプラザ=ファゾム(尋)としてた。そうだ、ピントはポルトガル人だからポルトガル語辞典を見ればいいのだとわかり、それらしい長さ(高さ)がイメージできたこと。
http://www.s-yamaga.jp/self/jishinhunkanorekishi.htm
2017年10月記