テングザル

テングザル 松田一希 東海大学出版会
ISBN978-4-486-01846-9 2,000円 2012年2月

目次
はじめに
第1章 サル研究との出会い サルの棲む森へ
 コラム スカウのバス事情
 コラム ことばの壁を乗り越えて(1)
 コラム ことばの壁を乗り越えて(2)
 コラム 海外研究と研究費
第2章 テングザルの知られざる生態
 コラム 植物の同定
 コラム サルの名前の付け方
 コラム 村のリーダー
 コラム 調査助手の雇用
 コラム 調査助手たちのその後
 コラム 森の中での時間つぶし
 コラム マレーシアでの美味しい食べ物
 コラム 四季のない村で四季を感じる
 コラム 危険な洪水期の踏査
 コラム 森の中で恐いもの(1)
 コラム 森の中で恐いもの(2)
 コラム 帰国へのカウントダウンと不安
第3章 テングザルの未来
 コラム 新発見:反芻するサル!!
あとがき
参考文献
索引

 テングザル生態調査の悪戦苦闘記。筆者のフィールドであるスカウは2009年3月末に行ったことがある。もちろん乗り合いバスではなく、現地観光業者が用意してくれた車で、道も舗装されていたし、スカウには豪華ではないが快適なロッジもあった。さらに、2008年の3月末にもボルネオに行った。
http://yamaga.cafe.coocan.jp/ryoko/Borneo/borneo2.htm
http://yamaga.cafe.coocan.jp/ryoko/Borneo/borneo.htm

 いずれもリバー・サファリ(異なる川)でテングザルに会えた。ただ、これは熱帯雨林がどんどん伐採され(パーム椰子農場化され)、川沿いにしか熱帯雨林が残っていないため(川からパーム椰子農場が見えるところもある)、テングザルなどの野生動物がそこに集まっている(集まるしかない)、だからリバー・サファリで会いやすくなっていると思った。そうした、熱帯雨林の現状はどうなのだろう。

 また、テングザルの反芻が筆者の新発見だとは驚いた。あの胃の構造から、当然反芻をしていると思っていたので。

2012年8月記

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