本音の沖縄問題

本音の沖縄問題 仲村清司 講談社現代新書
ISBN978-4-06-288156-2 760円 2012年5月

目次
プロローグ
第1章 沖縄のいま 繰り返される歴史
第2章 県民感情のいま 反米より反ヤマト
第3章 沖縄内部の矛盾 深化する対立
第4章 沖縄という土地 復帰が問われる時代
エピローグ
主な参考・引用文献
本文関連略年表

 沖縄を語ることは難しい。しかし、辺境の地にあって「ヤマト」の都合でその矛盾を背負い、そうであるが故にまた内部に矛盾を生ずるという構造になっていると思う(端的な例が琉球政府による先島諸島に対する過酷な支配)。その負の歴史の出発点は島津藩によ「琉球征伐」(1609年)、そして明治政府による「琉球処分」(1872年〜)、さらに太平洋戦争、これが「本土復帰」(1972年)へと続く。

 ベトナムからの米軍の撤退(1973年)のときもそうだったが、沖縄の「本土復帰」のときも、単純に喜んでいた人たちが多かったと思う。私はベトナムからの米軍撤退のときには「これでベトナムの人たちは別な支配者(北ベトナム共産党)の支配下に入るだけ。」と醒めた目で見ていたし、「本土復帰」のときも「(単純なアメリカ支配よりも難しい状態になった」(自民党政権下では、これは民主党政権下でも変わらない、「密約」は当時からの“常識”だったと思う)と思った(圧倒的な少数派だった?)。

 このへんについては、まだきちんとまとめられない。いずれにしても下手をすると“民族主義”的な発想が闊歩してしまうだろう。“尖閣諸島”問題もあるし、当面矛盾は拡大の方向に? 

2012年8月記

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