日本の津波災害 伊藤和明 岩波ジュニア新書ISBN978-4-00-500701-1 820円 2011年12月
目次
はじめに
第I部 歴史に見る日本の津波災害
第1章 古代の津波災害
第2章 三陸沿岸を襲った大津波
第3章 南関東沿岸の津波災害
第4章 南海トラフ巨大地震と津波災害
第5章 日本海沿岸を襲った大津波
第6章 沖縄・八重山諸島を襲った大津波
第7章 山体崩壊が起こした大津波
第8章 太平洋を渡ってきた大津波
第II部 災害の記憶を後世に
第9章 「稲むらの火」と防災教育
第10章 3.11超巨大地震と大津波災害
第11章 三連動地震に備えて
おわりに
日本の沿岸では、つねに津波が起こる可能性がある。そしてそのうちに必ず大津波もやってくる。そうなったら、3.11で明らかになったように、10mという防潮堤でも街を守ることはできない(できなかった)。でも、津波は地震の後にしか来ない。だから逃げることは可能だ。ただ、筆者も「稲むらの火」で注意を呼びかけているが、津波は引き波から始まるとは限らない。
人の記憶はたちまち薄れていく。まして、後世にその記憶を伝えるのはなかなか難しいと思う。でも、3.11でも、防災教育が徹底していた学校の児童・生徒たちのなかには、きちんと行動できた子供たちも多くいたらしい。それぞれの持ち場で、地道にやっていくしかないのだろう。
2012年2月記