人類はなぜ短期間に進化できたのか 杉晴夫 平凡社新書
ISBN978-4-582-85648-4 800円 2012年7月
目次
はじめに
第一部 人類の進化
第1章 生物の進化をめぐる謎
第2章 人類出現の謎
第3章 大自然の摂理の外に出た人類
第4章 文明を築いた人類の追求
第二部 文明進化の謎
第5章 ギリシャ文明の奇跡
第6章 世界征服と優生学
第7章 人類文明の牽引者
終章 人類進化から見た天才
あとがき
主要参考文献
ラマルク説支持の立場から書かれた本。なぜ、環境に対する中枢神経の反応が遺伝子の変化につながるかはまったくの想像にしか過ぎないので、説得力があまりない。
文明についても、この異説を支持する根拠に乏しい。一つだけ書いておくと、一人の天才は人類全体の進歩を早めるかもしれないが、大勢の秀才・凡才が束になれば、そのうち同じことができるようになると思う。ガウスやニュートンなど。
私は、短期間での「進化」については、なぜ生物学的には同一種であるホモ・サピエンスが、あっという間に「人種」「民族」に別れ、違った分化、言葉に別れていったのかに、この違いは本質的なものではないのかということに興味がある。
結局この本と少し意見が一致するのは、優生学に対してのみか。
2012年9月記