下級武士の米日記 加藤淳子 平凡社新書591
ISBN978-4-582-85591-3 800円 2011年6月
目次
はじめに 平安時代を脱ぎ、着る明治天皇
序章 柏崎日記と桑名日記
第1章 赤ん坊連れの百里旅 桑名から柏崎へ
第2章 金庫番から村回りへ 勝之助の業務 柏崎
第3章 股引き半纏で、検地と検見 地方の業務 柏崎
第4章 給与米は品切れ 平太夫の業務と家庭生活 桑名
第5章 豆腐一丁も「つけ」 収入と支出 柏崎
第6章 米を売る侍 平太夫と周辺の経済生活 桑名
第7章 まことに嫌な勤めなり 公事方業務と勝之助 柏崎
第8章 消えた皮算用 天保の改革の余波
第9章 水野忠邦、失脚の日 勝之助の江戸出張 柏崎
第10章 お見舞米、運送準備の旅 柏崎〜松代往復
第11章 離婚多発の柏崎 近隣・同僚・町と村の人々
第12章 十歳で「四書」素読完了 桑名と柏崎の教育
第13章 宴会やつれ 柏崎と桑名の相互儀礼
第14章 桑名と柏崎の季節と行楽
第15章 さまざまな病 種痘以前のこと
第16章 すじかい侍 武士の非行と処分 桑名
第17章 三角便と直接便 情報の伝播
第18章 候文と会話体と 文体・語法・用語
終章 戊辰戦争をかいくぐった日記
おわりに
幕末の桑名藩とその領地柏崎で暮らした下級武士親子の(交換)日記の紹介。江戸時代末期の生活が見える。とはいっても、年貢の取り立てを仕事とする勝之助には農民の生活は見えていなかったようだ。また、公用の旅だと経路もきちんと決まっていて、それに人足の確保もあり、大変そう。
2011年11月記