超巨大地震に迫る 大木聖子・纐纈一起 NHK出版新書
ISBN978-4-14-088352-5 740円 2011年6月
目次
序章 ドキュメント3.11
第1章 超巨大地震はどのように起きたのか
第2章 巨大津波はどのように発生したのか
第3章 引き起こされたさまざまな現象
第4章 地震の科学の限界、そしてこれから
第5章 防災 正しく恐れる
終章 シミュレーション西日本大震災
あとがきにかえて 科学の世界から発信される情報
第4章で「アスペリティ(固着領域)・モデル」の検討がなされている。アスペリティ・モデルはそもそも、1980年ころに金森博雄レイによって使われた言葉で、2000年代になって急速に市民権を得た。それは、地域ごとの固有地震説、その場所での沈み込み学を整理したものといえる。今回の東北地方太平洋沖地震は、想定された細かいセグメントごとのなかのアスペリティではなく、もっとセグメントを縦断的に広がるアスペリティがあり、それが動いたらしい。便利なアスペリティという言葉によって、その実態の追求がおろそかになっていたという反省が述べられている。
西日本は逆に、超巨大陣が起こる可能性がすでにいわれていて、防災についても述べられている。
2011年6月記