地球の中心で何が起こっているのか

地球の中心で何が起こっているのか 巽好幸 幻冬舎新書
ISBN978-4-344-98227-7 780円 2011年7月

目次
まえがき
第1章 地球内部構造とプレートテクトニクス
第2章 46億年前に誕生した原始地球
第3章 火山列島と沈み込み帯の密接な関係
第4章 火山列島はどうしてできるか?
第5章 海で生まれる大陸
第6章 地球は水からリサイクルしている
第7章 地球における炭素と水の大循環
あとがき

 とりわけ従来の謎であった、沈み込み帯におけるマグマの発生に詳しい。これまで冷たいプレートが沈み込む海溝(沈み込み帯)で、どうしてマグマが発生するのかは謎であった。最近はプレート中の含水鉱物が劇的に岩石の融点を下げるということがわかったので、この問題も解けかけている。とりわけ、東北の火山列が2列見られるのに、富士−伊豆−マリアナでは1列になるのは、角せん石−緑泥石は深さ110km付近の圧力で水を放出し、金雲母は深さ170km付近で水を放出するということと、その付近でのプレート沈み込みの角度(東北は小さく、伊豆−マリアナは急)を合わせ考えると、東北はそれが分離して見えるが、伊豆−マリアナでは重なって見えるということらしい。

2011年9月記

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