伊達政宗、最期の日々 小林千草 講談社現代新書
ISBN978-4-06-288060-2 760円 2010年7月
目次
はじめに
第1章 くもりなき心の月をさきだてて
第2章 病身をおして
第3章 将軍家光との別れ
第4章 殉死を望むか家臣たち
第5章 正宗臨終
むずびに その後のことなど
≪章・節と暦日≫早見表
註・参考文献
伊達家略系図
奥州街道要図
あとがき
胃がん(らしい)末期にもかかわらず、参勤交代で江戸まで行って最期を迎えた正宗。伊達ものらしい、最期まで格好をつけようとする。ただし、筆者は武士らしく死ぬこと(戦場で死ぬ)、それができぬことの葛藤を書いているが、もっと冷静な判断もあったと思う。本当は天下を狙いたかった、でも地の利、時の運が悪く、秀吉に跪き、ついで家康にも下らざるを得なかった正宗。圧倒的な力の差を考えた時、「伊達家存続」にはどうすればいいのかを第一に考えたと思う。そうすれば、徳川家にともかく恭順の意を示すことが第一となる。
2010年12月記