「玉砕指揮官」の絵手紙

玉砕指揮官の絵手紙 吉田津由子編 小学館文庫
ISBN4-09-402676-2 600円 2002年4月

目次
編集にあたって
太郎君へ
 昭和3年3月〜昭和5年4月 アメリカより
 アメリカ滞在時移動経路
たこちゃんへ
 昭和19年6月〜昭和21年1月 硫黄島より
妻 子供たちへ
 昭和19年6月25日、昭和20年2月3日 硫黄島より
 栗林中将決別の電文
硫黄等の戦闘 細木重辰
解説 枝川公一
年譜
編者あとがき/引用・参考資料

 まだ字が読めない自分の息子に送った、アメリカからの絵手紙。まだアメリカと戦争に入る実感はない、大恐慌の影響も自分のみには及ばない牧歌的なアメリカ生活。息子と同じような年齢の子を見ると、思わず自分の息子を思い出してしまう。ほのぼのとした絵手紙である。

 娘からの手紙に対しては、添削をする教育パパぶり。

 アメリカ生活から、その工業力・国土の広さを実感した彼は、アメリカとの総力戦で勝てるわけはないことはわかっていただろう。こうした人材(硫黄島の闘いでも万歳攻撃はしない)を“捨て駒”に使うしか能がなかった日本軍。

2009年8月記

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