夜這いの民俗学・夜這いの性愛論 赤松啓介 ちくま学芸文庫
ISBN4-480-08864-4 1,200円 2004年6月(2008年6月第10刷)
目次
『夜這いの民俗学』
I 夜這いの民俗学
II 夜這いの性教育
『夜這いの性愛論』
I ムラの性愛論
II マチの性愛論
解説 上野千鶴子
オリジナルは1994年に明石書店から出版されている。
夜這いという風習が日本の一部には戦争前後まで残っていたのはそうだろうが、筆者のいうように日本全国で一般的だったかどうか、これはもう確かめようもない。自分の体験を前面に押し出しているわけで、でもそんなこといったら今だって複数の異性との関係をもっている男女だっているのだから、ようするに類は友を呼ぶというか、魚心あれば水心ありというか、こうした体験を書けば今でも夜這いの風習が続いているということになってしまう。
本多勝一のベトナム戦争ルポに、ベトコンの兵士たちが夜、夜這いの相談をしていた場面があったと思うが、当時は意味がよくわからなかったことを覚えている。いまなら、まあ当然だろうという気になるが…。あと、獅子文六の小説だったか、戦後の四国の山村の話として「妻貸し」の体験を書いたような場面があったが、今となってはどの本だったか、またそれは本当の体験だったかもわからない(が、ありうる?)。
2008年9月記