伝説の日中文化サロン 上海・内山書店

伝説の日中文化サロン 上海・内山書店 太田尚樹 平凡社新書
ISBN978-4-582-85436-7 740円 2008年9月

目次
はじめに
第1章 内山完造と上海
第2章 日本から来た文人たち
第3章 左翼運動に走った日本留学組
第4章 魯迅と内山完造
第5章 尾崎秀実とスメドレー
第6章 左翼作家連盟の人々
第7章 芸術劇社の人々
第8章 動乱の渦の中で
第9章 魯迅の死と冬の時代
第10章 終戦と復活した交流
あとがき
参考文献
内山完造年譜

 どこかで名を聞いていた上海内山書店。日本人と中国人の区別・差別なく、お金があってもなくても気にしない、ちょっと立ち寄ってお茶を飲みながら雑談できる内山書店。そうであるが故に、中国の文人・左翼もひいきにしていた不思議なお店。まさに文化サロン。必然的に、蒋介石政府から追われる人たちを助けることになる。とくに魯迅とその家族。内山完造自身、日本の官憲に睨まれながらもぎりぎり頑張ったのだろう。でも、友人を助けることは当たり前のこととして。なかなかできるものではないが。

 内山完造は、1956年、病気療養のために訪れていた中国で客死(脳梗塞)、宋慶齢の隣の墓に眠っているという。

2008年11月記

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