なぜ日本人は学ばなくなったのか

なぜ日本人は勉強しなくなったか 齋藤孝 講談社現代新書
USBN978-4-06-287943-9 720円 2008年5月

目次
まえがき
序章「リスペクトの精神を失った日本人」
第1章 やさしさ思考の落とし穴
第2章 学びを奪った「アメリカ化」
第3章 「書生」の勉強熱はどこへ消えた?
第4章 教養を身につけるということ
第5章 「思考の背骨」再構築に向けて
あとがき 次代へのメッセージ

 社会全体の問題だと思う。学ぶことが(ごく一部の人たち以外は)必要ない、評価されない時代になったのだろう。ある意味では成熟した社会の宿命かもしれない。さらに日本では、まじめにこつこつ勉強して“いい大学”に入り、“一流企業”に就職して一生懸命働いてきたのに、リストラされれしまうという現実。そうした親世代を見ているはずなのに、それでも一部の若い人たちはそれなりに勉強しようとはしている。その一部の若い人たちも、この本でも憧れとしてある“旧制高校的教養主義”とはまったく無縁の勉強をしているにすぎない。

 かくいう私も、浅田彰氏から「頭が悪い、勉強しなかったから」といわれてる世代なのだが。

 発展途上国の子供たちの輝く目、きっと昔の日本の子供たちもあのような目をしていたのだろう。

2008年6月記

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