敗戦の記憶 五十嵐恵邦 中央公論社
ISBN978-4-12-003898-3 2,500円 2007年12月
目次
序文
第1章 原爆、天皇、そして歴史 戦後日米関係の<起源の物語>
1 戦後日米関係の出発点
2 マッカーサーと昭和天皇
3 日本という「善い敵」
第2章 肉体の時代
1 解放される肉体
2 日本という病
第3章 どこにもない国 日本人論について
1 西洋と東洋の「雑種」日本
2 アイデンティティのゆらぎ
3 「不意の唖」
第4章 名づけえないものを名づける
1 喪失のしるし
2 君の名は、ゴジラ
3 日本を演ずる 力道山
4 消えていく喪失のしるし
第5章 安保闘争から東京オリンピックへ
1 安保闘争
2 1964年、東京オリンピック
第6章 トラウマの再現
1 野坂昭如と喜劇的な過去の回帰
2 三島由紀夫の「笑劇」的な死
結論
あとがき
註
引用文献
索引
敗戦−戦後とは何か、どういう時代だったのかを目次に挙げられた題材(膨大な註がある)を手がかりに読み解こうとする。
私自身は戦後の生まれだが、まだ子供のころには進駐軍がいた。さすがにもう「ギブミーチョコレート」の時代ではなかったが、この企業は米軍に接収されているとか、当時住んでいた貧弱な社宅の隣の広大な洋館は米軍軍属の家だというようなことも聞いていた。
振り返ってみると、1960年の安保闘争はまだ戦後15年、東京オリンピックですら戦後19年、もうそれらから50年近くも経とうとしていることになる。
2008年4月記