伝説の算数教科書<緑表紙> 松宮哲夫 岩波科学ライブラリー135
ISBN978-4-00-007475-9 1,300円 2007年9月
目次
まえがき
1 黒表紙から緑表紙へ
2 塩野直道は何を思ったか
3 数理思想と小倉金之助
4 緑表紙が吹かせた風
5 算数教育のこころ
あとがき
緑表紙という算数の国定教科書の話。すでに戦争(日中戦争)に突入という雰囲気が出始めた1935年〜1943年まで使われていたという。内容も紹介されているが、その高度なレベルに驚く。いまでも、算数(中学校の数学でも)を軸とした総合的な学習に使えそう。
当時危険人物と見なされていた小倉金之助の考え(科学的精神を提唱、階級社会の算数・階級社会の数学などを書いていた)に共鳴し、文部官僚でもあった塩野直道の驚異的な努力でつくられた教科書。研究会に呼ぼうとした小倉金之助は上部の意向ではずされ、高木貞治は研究会には欠席。
いまではレベルが高すぎて、多くの小学生たちが落ちこぼれてしまう?
2008年6月記