中世の東海道をゆく

中世の東海道をゆく 榎原雅治 中公新書1944
ISBN978-4-12-101944-8 800円 2008年4月

目次
はじめに
序章 干潟をゆく 鳴海
第1章 旅立ち 京・近江
第2章 乱流地帯をゆく 美濃
第3章 湖畔にて 橋本
第4章 平野の風景 遠州平野・浮島が原
第5章 難所を越えて 天竜・大井・富士川・興津
第6章 中世の交通路と宿
終章 中世東海道の終焉
あとがき
参考文献

 中世の東海道を緻密に再現しようとする。文献だけではなく潮汐ソフトを駆使して、当時の時刻と海の様子を推定するなど。浜名湖が海と通じる前後の考証では、通説に対して異議を唱える。また、当時の東海道(それ以外でも)は至る所に砂州とその内側の潟があったということもおもしろい。

 石橋克彦氏が主催する歴史地震の研究会に参加したことが、こうした研究方法のヒントになったという(あとがき)。自然科学と歴史学のクロスオーバーがこうした本を産んだのだろう。 

 美濃と浜名湖あたりが詳しく考察されている。

 2008年5月記

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