中国の五大小説

中国の五大小説(上) 井波律子 岩波新書新赤1127
ISBN978-4-00-431127-0 860円 2008年4月
中国の五大小説(下) 井波律子 岩波新書新赤1128
ISBN978-4-00-431128-7 900円 2009年3月
目次
はじめに
『三国志演義』の巻 興亡の歴史と物語の誕生
 1 「三」で結ばれた世界のはじまり 桃園結義
 2 大トリックスター、曹操の登場 呂伯奢殺害事件
 3 色と欲に流れる美将、呂布 虎牢関の戦い
 4 曹操の「偏愛」 典葦、呂布の最後
 5 男が男に惚れるとき 勇者の邂逅
 6 臥龍諸葛亮、出ず 天下三分の計
 7 「語り」の人気者、張飛、趙雲 長坂の戦い
 8 知力を尽くした総力戦 赤壁の戦い
 9 義絶の人、関羽
 10 錦の馬超、大活躍 華容道の勢揃い
 11 大陸の乾いた風と「終わり」のはじまり 英雄たちの死
 12 「笑い」に託された「歴史」 三国の終焉
『西遊記』の巻 巨大な妖怪テーマパーク
 1 天地をかけめぐるスーパー猿 孫悟空登場
 2 地獄の沙汰はいかに 太宗の地獄めぐり
 3 遅れてきた主役、三蔵法師
 4 転生、変化、よみがえり 従者一行、勢揃い
 5 「俗」なおかしみ 神仙・如来のふるまい
 6 「凡俗」三蔵と猪八戒 子母河の難
 7 巨大なテーマパークをめぐる旅 フィクショナルな化け物たち
 8 あと一難、のおもしろさ 旅のゴール
『三国志演義』章回回目
『西遊記』章回回目
主要参考文献(底本と翻訳)
目次
はじめに
『水滸伝』の巻 一百八星、数珠繋ぎの物語
1 幕開きは語り物のスターから 魯智深、林冲
2 出会いが出会いを呼ぶ仕掛け 黄泥岡の大作戦
3 「悪女死すべし」梁山泊の倫理とは 閻婆惜殺害、武松物語
4 痛快無比、「梁山泊軍団」終結 江州へ殴りこみ
5 無法の道化者、黒旋風李逵 独龍岡戦争、魔法合戦
6 リーダー交代が意味するものは 晁蓋の死
7 宗江の「忠義」と北宗という時代 梁山泊勢揃い、燕青の活躍
8 散り散りに地底へ帰る一百八星 豪傑たちの退場
『金瓶梅』の巻 謎の「作者」と裏返しの悪夢
1 「水滸伝」からの分かれ道 武大殺しと生きのびた「悪の華」
2 西門家の女たち 潘金蓮の密通事件
3 「祝祭的日常」のリアリズム 李瓶児の登場
4 果てしなき欲望の狂宴 官哥の誕生とインドの媚薬
5 膨張と行きづまりの明末社会 あいつぐ死の結末
6 縮小再生産と「暗黒神話」の終末 春梅による幕引き
『紅楼夢』の巻 「美少女の園」のラディカリズム
1 もうひとつの「逆転」 警幻仙姑の夢幻境
2 巨大な「家」と女たちの「政治」 王熙鳳の活躍と大観園造営
3 美少女たちが生きる「時」 林黛玉の葬花
4 貴族的美意識と清という時代 物語を彩る文物
5 醜悪さのリアリティ 賈家没落のきざし
6 曹雪芹が目指した「密度」 もうひとりの「宝玉」
『水滸伝』章回回目
『金瓶梅』章回回目
『紅楼夢』章回回目
主要参考文献(底本と翻訳)
いつかは読み直してみたい中国4大奇書。読んだのはもう40年ほど前。もう一度読めるだけの時間が残されているだろうか。 最近カラマーゾフの兄弟の読み直しがはやっているようだ。私も読み直したいが、優先順位が高いのははこちらの方である。

2008年5月、2009年4月記

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