ワープする宇宙 リサ・ランドール 向山信治監訳・塩原通緒訳 NHK出版
ISBN978-4-14-081239-6 2,900円 2007年6月 2007年8月第4刷
目次
まえがきと謝辞
I部 空間の次元と思考の広がり
序章 なぜ見えない次元を考えるのか
第1章 入り口のパッセージ 次元の神秘的なベールをはぐ
第2章 秘密のパッセージ 巻き上げられた余剰次元
第3章 閉鎖的なパッセージ ブレーン、ブレーンワールド、バルク
第4章 理論物理学へのアプローチ
II部 20世紀初頭の進展
第5章 相対性理論 アインシュタインが発展させた重力理論
第6章 量子力学 不確かさの問題
III部 素粒子物理学
第7章 素粒子物理学の標準モデル これまでにわかっている物質のもっとも基本的な構造
第8章 幕間実験 標準モデルの正しさを検証する
第9章 対称性 なくてなならない調整原理
第10章 素粒子の質量の起源 自発的対称性の破れとヒッグス機構
第11章 スケーリングと大統一 異なる距離とエネルギーでの相互作用を関連づける
第12章 階層性問題 唯一有効なトリクルダウン理論
第13章 超対称性 標準モデルを超えた飛躍
IV部 ひも理論とブレーン
第14章 急速な(だが、あまり遅くてもいけない)ひものパッセージ
第15章 脇役のパッセージ ブレーンの発展
第16章 賑やかなパッセージ ブレーンワールド
V部 余剰次元宇宙の提案
第17章 ばらばらなパッセージ マルチバースと隔離
第18章 おしゃべりなパッセージ 余剰次元の指紋
第19章 たっぷりとしたパッセージ 大きな余剰次元
第20章 ワープしたパッセージ 階層性問題に対する解答
第21章 ワープ宇宙の注釈つきアリス
第22章 遠大なパッセージ 無限の余剰次元
第23章 収縮して膨張するパッセージ
VI部 結びの考察
第24章 余剰次元 あなたはそこにいるのか、いないのか?
第25章 結論 最後に
監訳者あとがき 訳者あとがき
巻末 数学ノート 用語解説 索引
クォークの先には何があるのか。ひもとブレーンがこの宇宙の物質をつくっているのか。質量や重力の起源は何か。一つがわかるとそれによりまた新たな疑問も生まれる。物質は原子からできている、ではその原子は何からできている、原子はクォークからできている、ではクォークは究極の素粒子かという具合。
また、根本・極微の素粒子を追求することは、じつは 極大の宇宙を追求することでもある。
この宇宙は多次元で、余剰次元は小さく折りたたまれているので、我々には見えないだけか。本当に重力も含めた大統一理論はできるのか。そもそも宇宙にはそのような法則が隠されているのか。
この本は、もちろん素人向けに書かれているが、それでもかなり難しいし、分量も半端ではない。でも、現代物理学が何を追い求めているが、おぼろげながらもわかる。この本で、ひも理論の解説本によって、ひも理論からは11次元宇宙、10次元宇宙が出てくるとあるが、この本によって双対性からそれは実は同等だとわかったあった。さらにこの本ではもう少し次元を下げて考えてもいいようになっている。とはいっても、4次元以上の時空のイメージは難しい。
2007年10月記