金・銀・銅の日本史

金・銀・銅の日本史 村上隆 岩波新書新赤1085
ISBN978-4-00-431085-3 780円 2007年7月

目次
はじめに
第1章 日本は、「黄金の国」か、「銀の国」か、「銅の国」か
    「金・銀・銅」をめぐる技術の系譜
第2章 祭り、葬送、そして戦いの象徴
    草創期の「金・銀・銅」
第3章 仏教伝来から、律令のもとで
    定着期の「金・銀・銅」
第4章 国内への浸透、可能性の追求
    模索期の「金・銀・銅」
第5章 「金・銀・銅」をめぐるダイナミズム
    発展期の「金・銀・銅」
第6章 世界最高水準の達成、そして
    熟成期・爛熟期の「金・銀・銅」
第7章 近代化による新たな取り組み
    再生期の「金・銀・銅」
おわりに 「金・銀・銅」を未来に活かすために
あとがき
参考文献

 その錆びにくいがゆえに保たれる光沢、希少性から古来金は血眼になって探され、掘られてきた。その総量は14万2千トン(しかし、これを集めてもオリンピックプール3杯分程度らしい)、まだ地下に眠っているのはそれよりも少ない7万2千トンだそうだ。

 この本は、金・銀・銅がどこに埋まっていて、どのように探されてきたのかということではなく、どのように利用されてきたのか、そこでどのような技術が開発されてきたのかに力点がある。

 金鉱山では1トン当たり30グラムの金が含まれていれば採算が取れるという中、ノートパソコン1トン当たり金92グラム、銀183グラム、銅36キログラム、携帯電話では1トン(約1万個)あたり、金280グラムが含まれているという。

 私みたいに貴金属(財産)としての金・銀・銅に無縁な人間でも、電気機器に利用されているこれらに取り囲まれて生活していることになる。昔の王侯貴族以上?

2007年7月記

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