環境問題はなぜウソがまかり通るのか 武田邦彦 洋泉社
ISBN978-4-86248-122-1 952円 2007年3月初版 2007年5月第4刷
目次
INTRODUCTION 環境問題が人をだます時
第1章 資源7倍、ゴミ7倍になるリサイクル
第2章 ダイオキシンはいかにして猛毒に仕立て上げられたか
第3章 地球温暖化で頻発する故意の誤報
第4章 チリ紙交換屋は街からなぜいなくなったのか
筆者の「環境至上主義者」への怒りはわかるが、少し暴走気味?
第1章からして、リサイクルしたから資源消費が増えたわけではない。またダイオキシンの主たる発生源がゴミ焼却場ではないとしても、安全な化学物質ではない。海水面上昇について、北極の氷が融けるためというのが間違いという指摘はいいが(グリーンランドを含めた北極圏の氷が融けるといえば正解)、海水の膨張の方を単純に信じているのはどうか(海水全体はそれほど急には暖まらない)。
だが、リサイクル・環境がビジネス的の対象になっている、入り口から出口までの全体を見て判断する必要がある、地球温暖化も冷静に見る(批判的な目で見ることも)必要がある、石油枯渇、食料危機が本当は大変な問題なのだという指摘は正しいと思う。
だからもう少し冷静に、むやみに過去の日本と日本人を美化するのではなく(昔だって悪い人はいたし、今でもいい人もたくさんいる)、またデータもきちんとすれば(出典のあるものとないものがある)、もっと説得力が増すと思う。
2007年9月記