敗者から見た関ヶ原合戦 三池純正 洋泉社新書
ISBN978-4-86248-146-7 800円 2007年5月 2007年6月第2刷
目次
【序章】 敗軍の将・石田三成の通説的解釈は間違い
1 西軍大将は石田三成だった
2 西軍敗北は三成の作戦の失敗ではなかった
3 実は「合戦上手」だった三成
【第1章】 豊臣秀吉の不安と家康の野望
1 死の前に準備していた秀吉の「家康包囲網」
2 家康の前に立ちはだかる三成・前田利家
3 三成の追放と「反石田陣営」の形成
4 東北会津から家康を牽制する上杉景勝
【第2章】 三成挙兵と全国大名の動向
1 星群創始は中国の大名・毛利輝元
2 豊臣秀頼への忠誠と豊臣系大名の離反
【第3章】 東軍動く、戦いの商店は岐阜・大垣城攻防へ
1 決戦前の家康の諸方面への根回しと演出
2 西軍・岐阜城の陥落と家康着陣す
【第4章】 西軍布陣をめぐる多くの謎を検証する
1 家康は西軍の関ヶ原への移動をなぜ見過ごしたのか
2 毛利はなぜ南宮山一帯に布陣したのか
【第5章】 小早川秀明の動静と三成の「一大作戦」
1 秀明が布陣した松尾山城の戦略的意味は?
2 西軍必勝の隠し球は「土塁の防衛ライン」
【第6章】 息を呑む・決戦関ヶ原
1 秀明も裏切りのタイミングを逸しかけた西軍の大善戦!
2 佐和山城落城と毛利輝元・豊臣秀頼の処遇
【終章】 歴史に埋もれた知将・三成の実像
1 三成を「大悪人」に仕立てた家康の本心
2 名僧沢庵を魅了した三成の人柄
主な参考資料
関ヶ原合戦関係年表
あとがき
敗軍の将三成の焦点を当て、愚鈍な将という評価は家康の宣伝だと主張する。まあ、実際にも三成は優秀だったのだろう。秀吉の朝鮮出兵が、結果として家康の勢力を増すことになり、また豊臣系の大名も家康につくことになったとすれがば、豊臣家の滅亡を招いたといえる。
2007年9月記