天梯のくにチベットは今 堀江義人 岩波書店
ISBN4-582-83317-9 2,400円 2006年3月
目次
まえがき
一、天路 太くなるチベットの生命線
二、青蔵鉄道 役割を満載して走るチベット鉄道
三、中華水塔 枯れ始めた中国の水がめ
四、全民宗教 神々が宿る青蔵高原
五、天葬 チベット文化を象徴
六、茶馬街道 世界でもっとも標高が高く険しい、悠久のティーロード
七、発展 自立への厳しい道のり
八、徳格印経院 チベット文化を死守
あとがき
チベット関連年表
おもな参考文献
チベットのレポート。
チベット独立を願うチベット族の人は多いだろうが、巨大な中国がそれを許すはずもない。微妙な反漢感情を「経済発展」でなだめすかそうとしているようだ。
昨年の四川省旅行では、二郎山トンネルを越えたあたりからチベット族が漢族よりも優勢になる土地だった。通過した道路脇のチベット族の家はそれなりに立派で、経済的には潤ってきているようだった。
だがもちろん、ガイドさんは四川省成都からついてきている漢族の人、中国語すらできない私に、チベット族の人たちの“本音”をきくことはできなかった。
それにつけても、あの高く険しい山々、深く激流が逆巻く川を越えた広範囲に散らばっているチベット族が(他の民族も)、よく民族のアイデンティティを保っていると感心する。
観光客としては、あまり変わらないうちにチベット(青蔵高原)を旅してみたいものだ。
2006年5月記