河童の三平 水木しげる ちくま文庫
ISBN4-480-02238-4 1,200円 1988年6月第1刷 2004年12月第11刷
水木しげるの1970年の漫画。これも近藤勇同様、引っ越しのどさくさで失っていた本。全体の構想もなく書いたと思われる。だが、そこを流れる寂寥感。おじいさんが死んでしまってひとりぼっちになった河原三平がたたずむ古い家の前、そこは竹と栗の木(クリの実も落ちているので秋らしい)など。
主人公であるはずの三平(一時は河童の国の大王を継ぎストトントノス9世、河童の三平はオトトントノス9世になるのに)もあっけなく死んで、初めの方では悪戯者であったタヌキは、終わりの方では体型までスマートになって一人残された三平のお母さんを悲しませないようにいろいろと画策する。最後には三平に成り代わっていた河童の三平も河童の国に戻り、タヌキとお母さんが残されることになる。
2006年4月記