1冊でつかむ日本史 武光誠 平凡社新書322
ISBN4-582-85322-6 720円 2006年5月
目次
はしがき
序章 歴史哲学によって文明の形を知る
第1章 原始・古代の日本
第2章 中世の日本
第3章 近世の日本
第4章 近代・現代の日本
第5章 世界地図のなかの日本
第6章 東アジアのなかの日本
第7章 世界史のなかの日本
終章 歴史哲学の今後の役割
あとがき
1冊で日本史をつかもうとする便利な(ムシのいい)本。儒教の評価、天皇の評価、日本人の「心」の評価、第2次大戦前の状況等少し違和感があるものもあるが、コンパクトに日本史の復習ができる。
だがこの本の特徴は、第5章以後にあるのだろう。最初は化学から出発した著者の履歴を繁栄してか、科学(思想)を重視した歴史観にあると思う。
単純な英雄史観(吉川英治や司馬遼太郎が描くような)ではなく、英雄でも短所を持っている人間であり、さらにはどこに出もいるひとなみの良心を持ったふつうの人間が歴史を作ってきたという史観に共感する。
2006年6月記