鉄理論=地球と生命の奇跡 矢田浩 講談社現代新書1778
ISBN4-06-149778-2 720円 2005年3月
目次
はじめに
第1章 奇跡の誕生
第2章 生命は鉄にどのように依存しているのか
第3章 鉄から見えてくる生命の歴史
第4章 鉄が人類を救うか
第5章 鉄が人類に高度な文明をもたらした
第6章 鉄から見た文明史
第7章 鉄器時代は終わらない
あとがき
参考文献
鉄を軸に、生命の歴史(生命は鉄の化学的な性質をうまく使っている)から人類の文明の歴史(鉄なしの文明は考えられない)までの流れをつかもうとする。もちろん、鉄の化学的・物理的な性質の解説もある。
本当に鉄の存在量が生物(とくに植物プランクトン)生存のボトルネックとなっているのならば、たしかに鉄仮説(鉄を海に散布して植物プランクトンの成育を促し、二酸化炭素の吸収をはかる=地球温暖化解決の切り札)は鉄理論になるのだが。他の元素でも同じようなことがいえるのではないかという不安がある。
全体としては、鉄という窓からいろいろなことを見ているのでおもしろいし、だからといって極端にバランスを失っているわけではない。
2005年5月記