御家騒動 福田千鶴 中公新書1788
ISBN4-12-101788-9 2005年3月 760円
目次
はじめに
第1章 近世武士の主従観念と「御家」
第2章 主君を廃立する従臣たち
第3章 従臣を排除する主君たち
第4章 主君をえり好みする従臣たち
第5章 御家騒動の伝統化
おわりに−語り継がれる御家騒動
参考文献
索引
江戸時代略年表
御家騒動が公儀に知られてしまうと、御家断絶・取りつぶしという既成概念は間違いだという。
江戸時代の初めのころは、器用・器量のある主君でないと、自分たちも危ない、器用・器量を認めた始めて主従関係を結ぶことができるというものであったので、世の中が落ち着いてくるとまず主従関係があるということになってくる。ただ、「御家騒動」が単なる相続争いならば、幕府はできるだけ不干渉であったという。
騒動に登場する人物が錯綜して読みづらいところもあるが、「常識」が正しくはないという視点を得ることができた。もっとも、歌舞伎になっている御家騒動はじつはよく知らない。
2005年5月記