イザベラ・バードのハワイ紀行 イザベラ・バード 近藤純夫訳 平凡社
ISBN4-582-83249-0 2,800円 2005年7月
目次
第2版の序文
序文
序章
手紙1
〜
手紙31
付論 ハンセン病とモロカイ島隔離施設
ハワイ国事情
ハワイの歴史
訳注
関連略年表
訳者あとがき
あの「日本奥地紀行」のイザベラ・バードは、日本を訪れる5年前にハワイを旅していた。1873年のことである。
彼女の現地の人を見る目はいつも暖かい。だが、当時のハワイは外国人(白人)がもたらした病気で疲弊し(人口の激減)、政治的にも王国とアメリカの間の「見えない」緊張の中にあった。
そうした中、バードはハワイのおもだった島々を旅する。旅というより、もうそれは冒険に近い。とくにハワイ島では濁流に呑まれそうになりながらも滝を見学に行ったり(現在でも道がないところもあるという)、4000mを越えるマウナロア山頂を登ったりもしている。
当時のマウナロア・キラウエアは活発な活動をしていて、バードはキラウエアのみならず、マウナロア山頂の溶岩湖も見ている。うらやましい。
彼女は単なる物見遊山の旅人ではなく、正確な火山の知識を持っていたことにも驚かされる。
彼女は病弱だったので、医者から転地療養を勧められたのが旅をする理由のようである。だが、強健な人よりも丈夫そう。
2005年9月記