アレクサンドロス大王

アレクサンドロス大王 森谷公俊 講談社選書メチエ
ISBN4-06-258197-3 1,800円 2000年10月(2004年9月3刷)

目次
プロローグ アレクサンドロスの素顔に迫る
第1章 東方遠征への道
第2章 グラニコスの回線 緒戦の勝利
第3章 イッソスの会戦 天下分け目の戦い
第4章 ガウガメラの会戦
第5章 ダイレオスの虚像と実像
第6章 東方政策をとらえなおす
エピローグ 英雄を超えようとした英雄
あとがき
参考文献
索引

 アレクサンドロスが駆け抜けた時代の解説とその評価を書いた本かと思ったら、ペルシャのダイレオス王との戦闘の場面の解説。お互いの陣形や兵器、戦い方を詳細に検討する。ある意味では仰天本。

 いざ戦闘になると、最高指揮官自ら先頭を切ってダイレオスに迫ろうとする。そのために命を落としかけたこともある(救った者はあとで不仲になり殺される)。こうした点は義経にも似ているが、スケールはもちろん全然違う。

 ファーブルが、「アレクサンドロスの愛馬の名前(プーケファラス)なんてくだらないものが歴史に残っているのに、キャベツを今日のように食べやすく改良した人の名が残っていないのはおかしい。」というようなことをいっていたのを思いだした。

 だが世界地図を見ると、紀元前300年ころの時代なのに、広大な地域を実際に戦闘を行いながら歩き回ったのには驚かされる。また数多くあるアレキサンドリアの一つが現カンダハル(アフガニスタン)である。

 去年の秋に3刷が出ているが、この春映画の封切りあわせたのだろう。映画は見てみようか、あるいはDVDですませようか。

2005年2月記

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