脳と心に効く薬を創る 鍋島俊隆 岩波科学ライブラリ98
ISBN4-00-006598-X 1,100円 2004年4月20日
目次
はじめに
1 薬が脳や心の働きを変える
2 今、期待される薬たち
3 マウスが教えてくれる薬の効果
4 アルツハイマー病に立ち向かう
5 心の病を乗り越えるために
6 臨床応用への道筋
7 薬の未来、脳の未来、その光と影
脳の高度な働きも化学物質によって左右される。鬱病、注意欠陥多動性障害(ADHD)、統合失調症、痴呆、不眠症などの症状も抑えられる(かもしれない)。
そうした薬の開発に欠かせない、動物実験の意味も解説する。例えば頭をよくする薬(記憶力をよくする薬)があることも確かめられている。ただ、日本は薬として使用が認められるために不可欠な臨床試験の体制が遅れ居ていることを嘆いている。
最後の章では「光と影」についても言及している。脳に効く、つまり心に効く薬を利用できる立場の人が、たとえそれを善意で使ったとしても思わぬ結果を招くことはないだろうか。たしかに心の病は、本人も周囲も大変であることは事実であるが…。
2004年7月記