川に生きるイルカたち 神谷敏郎 東京大学出版会
ISBN4-13-063323-6 2,600円 2004年4月
目次
第1章 雪男とカワイルカ
第2章 川に生きるイルカたち
第3章 イルカの脳に魅せられて
第4章 カワイルカとの共生をめざして
あとがき
参考文献
私は鯨類が好きである(※)。それぞれの種類に興味がある。この本で紹介されているカワイルカは、世界で4種類、限られた川にすんでいる。ヨウスコウカワイルカ、インドカワイルカ(インダスカワイルカとガンジスカワイルカの亜種)、アマゾンカワイルカ、ラプラタカワイルカ(川には遡上せず沿岸に生息)しかない。
どれもが、河川流域の開発とそれに伴う汚染などで、生息環境が悪化しており、絶滅の危機に瀕している。すでに安定して種を保つ最低数を割っている可能性もある。
クジラの進化上では、原始的な形態を強く残しているという。
研究の発端が、1960年の雪男調査で、それがあまり成果を上げなかったので、その帰途にガンジスカワイルカの調査を行ったことだというエピソードもおもしろい。また、こうしたカワイルカの地道な研究に、鴨川シーワールドが協力しているということも、水族館の役割の一つとして重要だと思った。
(※) 先日、東京渋谷の「元祖くじら屋」で、ランチの唐揚げ定食を食べた。おいしかった。
2004年5月記