ユークリッドの窓

ユークリッドの窓 レナード・ムロディナウ 青木薫訳 NHK出版
ISBN4-14-080800-4 1,800円 2003年6月

プロローグ
第I部 ユークリッドの物語
第II部 デカルトの物語
第III部 ガウスの物語
第IV部 アインシュタインの物語
第V部 ウィッテンの物語

  初めは数学史の本という感じだが、それは第IV部、V部への伏線で、科学の背後の数学を役割をわかりやすく解説している。第IV部、第V部はだから同時に現代科学(相対性理論、量子力学からひも理論まで)の解説になっている。

 自分の子供まで動員して比喩を展開する。アインシュタイン、シュレディンガーの逸話もおもしろい。全裸でカキの貝殻で肉をそがれて死んだヒュッパティアの逸話は知っていたが、シュレディンガーがプレイボーイで、スキーリゾートで一緒だった女性からインスピレーションをもらった話は知らなかった。その女性(共著者にはならない・なれい)の名はもう伝わっていない。

 この本では、ふつう欧米の本では名が出てこない日本人学者の名も出てくる。木下東一郎、南部陽一郎とか。

 訳は科学本の訳で定評のある青木薫氏なので、安心して読める。

2004年3月記

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