調べてみよう 暮らしの水・社会の水

調べてみよう 暮らしの水・社会の水 岡崎稔・鈴木宏明 岩波ジュニア新書439
ISBN4-00-500439-3 780円 2003年6月

目次
はじめに
1章 水はどこにあるのだろう
2章 飲み水を調べてみよう
3章 生活にかかわる施設を見てみよう
4章 工場で水はどう使われているか
5章 農業ではどう使われているの
6章 雨水の利用はどうなっているの
7章 変わった使われ方を調べてみよう
8章 水の文化遺産を訪ねてみよう
付録 水に関する博物館、科学館、図書館、資料室
    水についての情報が見られるホームページ

 全体としてはまあまあの本だと思う。細かいことをいえば、海水の歴史を40億年としているが、最古の岩石は40億年前とも、42億年前ともいわれていて、それは堆積岩起源の変成岩であることを考えると、地球のかなり初期の段階にすでに海はあったと思われる。そして、ごくごく初期の海水は強酸性であったにしても、岩石を溶かすことによってすぐに中和され、成分は現在の海水とあまり違ったものではなかっただろう。

 それよりも気になるのは、おいしい水を作るためには、医王石、トルマリン、さらには麦飯石(ばくはんせき)がいいとある。天然のミネラルウォーターは、数十年地下に潜ってミネラルを溶かし込むはずである。ぽこんと麦飯石をふつうの水に短時間入れておくだけで、要求されるミネラル分を溶かし込むのだろうか。そもそも麦飯石って何? 石英斑岩の一種らしいが。

 あと、おいしいお酒(日本酒)やビールを造るためにはいい水がないとダメだと詳しく書いてある。そのとおりなのだろうが、ジュニア新書でここまでお酒について詳しく書かなくてもいいのでは? 思わず飲み比べをしたくなってしまう? まぁ、ここはご愛敬か。

2003年7月記

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