戦国15大合戦の真相 武将たちはどう戦ったのか 鈴木真哉 平凡社新書
ISBN4-582-85193-2 760円 2003年8月
目次
第1章 奇襲にはばまれた天下取りという<神話>
今川義元と桶狭間の戦い
第2章 つくられた戦国合戦像とその裏側
上杉謙信と川中島の戦い
第3章 有名合戦の陰に隠れた人たち
高天神衆と姉川の戦い
第4章 「騎馬軍団」という虚構
武田信玄と三方原の戦い
第5章 誤解だらけの<新戦法>
織田信長と長篠の戦い
第6章 日の当たらない集団の戦い
雑賀衆と石山・雑賀の戦い
第7章 戦術ではなく攻略・戦略の勝利
織田水軍と木津河口の戦い
第8章 <ないものねだり>と<揚げ足取り>
明智光秀と山崎の戦い
第9章 もう一つの「天下分け目」
前田利家と賤ヶ岳の戦い
第10章 御用史観の舞台裏
徳川家康と小牧・長久手の戦い
第11章 武器が戦争のすべてではない
豊臣秀吉と備中高松城水攻め
第12章 三匹目のドジョウはいなかった?
北条氏康・氏政と小田原城籠城
第13章 「後ろ向きの予言者」たちの語る歴史
石田三成と関ヶ原の戦い
第14章 戦国最後の合戦の裏表
真田幸村と大阪の陣
第15章 褒められていない勝ち戦
松平信綱と島原の乱
あとがき
おもな参考文献
目次にある15大合戦を再評価する。戦国時代の合戦は「白兵戦」という「常識」は、戦前の軍部が作り出した虚像であるというのが、著者の一貫した姿勢である。怪我人を分析すると、兵士はお互いに怪我をしたくない、武将は兵士を失いたくない、つまりできるだけ遠くからということで、飛び道具による負傷者が多いという。
あと、勝った・負けたはほんの微妙な差で、敗者がことさら貶められることない、勝者をそれほど過大評価することはない、というのも著者の姿勢のようである。
2003年9月記