生き物をめぐる4つの「なぜ」

生物をめぐる4つの「なぜ」 長谷川眞理子 集英社新書
ISBN4-08-720168-6 2002年11月 740円

目次
はじめに 四つの「なぜ?」ということ
第1章 雄と雌
第2章 鳥のさえずり
第3章 鳥の渡り
第4章 光る動物
第5章 親による子の世話
第6章 角と牙
第7章 人間の道徳性
あとがき
主要参考文献

 動物の行動を(1)直接の原因(至近要因)、(2)どのような機能から進化したか(究極要因)、(3)個体の一生の間の発達(発達要因)、(4)祖先からの進化の過程(系統進化要因)から解きほぐそうとする。

 動物の行動はいろいろな「解釈」が可能で、その実証は難しい。ここできちんと検証し、さらに顧みることができるかで、逆にいえば一つの「解釈」だけを振り回さないかという点が、しっかりした本かどうかの分かれ目だろう。この本はそういう意味ではしっかりしている。つまり、目次で挙げられた疑問には、まだ完全な答えが出ていないことがわかる。

 2003年6月記

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