妊娠小説 斉藤美奈子 ちくま文庫
ISBN4-480-03281-9 1997年6月初版、2002年9月第4刷 680円
目次
はじめに
I 妊娠小説とは何か
妊娠小説のあけぼの
本格妊娠の出現
純妊娠小説の台頭
変わりゆく妊娠小説
II 妊娠小説のしくみ
受胎告知の様式
妊娠効果の基礎知識
ゲームの展開
妊娠濃度による分類
III 妊娠小説のなかみ
妊娠物語の類型学
愛と幻想の選択
アニミズムの帝国
避妊をめぐる冒険
おわりに
本書で取り上げた主な「妊娠小説」
あとがき
解説 商品チェックテストに立ち会う醍醐味(金井景子)
妊娠小説とは望まない妊娠を登載した小説であるという定義から始め、数々の小説をまな板の上に乗せていく。俎上に乗せられるのは、舞姫(森鴎外)、新生(藤村藤村)、太陽の季節(石原慎太郎)、赤ん坊の生まれない日(三田誠広)、さらには風の歌を聴け(村上春樹)、テニスボーイの憂鬱(村上龍)など。
金井景子の解説にあるように、たしかに暮らしの手帖の商品チェックテストに似ている。
2003年4月記