龍の棲む日本 黒田日出男 岩波新書新赤831
ISBN4-00-430831-3 2003年3月 780円
目次
プロローグ <国土>と<日本図>と龍
I 行基式<日本図>とは何か
1 金沢文庫の<日本図>
2 行基図のアポリアと謎解き
3 行基菩薩とは
4 独鈷の<かたち>をした<日本>
5 独鈷のシンボリズム
6 <日本図>と三国のシンボリズム
II 金沢文庫本<日本図>と蒙古襲来
1 金沢文庫本<日本図>とは
2 <国土>と冥界
3 龍乃国宇嶋と雨見嶋
4 高麗・蒙古国と唐土
5 妙本寺本<日本図>の発見と「三韓」
III 龍体の神々の姿
1 蒙古と戦う神々の姿
2 龍の<日本史>
3 龍のつく言葉と<日本>の龍
4 龍の図像学
5 龍が起こす地震
6 政変や天変地異と龍
IV 龍が棲む中世<日本>
1 龍が伏す<大地>
2 龍穴だらけの中世的<国土>
3 地下を縦横に走る巨大な穴道
4 龍の棲む<国土>と地下世界遍歴の物語
V 大地と地震と要石
1 「大日本国地震乃図」の読解
2 金沢文庫本<日本図>と大日本国地震乃図の比較
3 地震と要石
エピローグ 龍から大蛇へ
主要参考文献
あとがき
この本は民俗学の本ではない。中世日本史の歴史の本である。中世の日本人が、日本の国土をどうとらえていたかを明らかにする。日本は龍に取り囲まれて、危機の際(蒙古襲来)のときは先頭に立って戦ってくれる。日本の中にも縦横に穴が開いていて、どこでも出入りする。
2003年4月記