クジラと日本人 大隈清治 岩波新書(新赤835)
ISBN4-00430835-6 2003年4月 700円
目次
はじめに
I クジラとは何か
II 日本人と捕鯨
III 日本における捕鯨文化
IV クジラ資源の管理
V 世界と日本のクジラの現状
VI クジラ問題の展望
おわりに
クジラ問題では日本は孤立している。国際捕鯨取締条約(ICRW)に基づくはずのIWC(国際捕鯨委員会)は、反捕鯨国が過半数を占めている。しかも、その下の専門委員会である科学小委員会(SC)や、技術小委員会(TC)の意見も無視している。
だが、だんだんIWCの雰囲気も変わってきたという。中間派が少なくなり、その分捕鯨 vs 反捕鯨の対立が激化しているという。しかし、反捕鯨国もかつての勢いはなくなっているようだ。
感情的は反捕鯨は一笑に付すとして(それ故解決しがたい)、そうした根拠を作ってしまったのが、過去の乱獲である。
筆者は持続的捕鯨を訴え、またクジラの家畜化を夢見る立場で本書を書いている。
p.103のクジラ切手の写真が不鮮明なのが残念。
2003年5月記