カフカ事典 池内紀・若林恵 三省堂
ISBN4-385-15434-1 2,200円 2003年6月
目次
カフカの甦り はじめに
フランツ・カフカ 人と作品
カフカ文学をめぐる12章
カフカの作品I 小説
カフカの作品II 新聞・雑誌への発表作
カフカの作品III 草稿・断片
カフカ・キーワード
カフカへの解釈
年譜
カフカ・ブックガイド
索引
あとがき
カフカについてのいろいろなことが、要領よくまとまっている。例えば「カフカ文学をめぐる12章」では、文房具や健康法から、性、女性まで。いろいろの女性と付き合いがあった。でも、みんな保護者的(若い人も)に振る舞う。
カフカの作品は、小説のあらすじ(といってもまともな筋はないが)と、いろいろな解釈を紹介している。これは大変便利。
「カフカへの解釈」にはオーソン・ウェルズも出ていた。彼が「審判」(主演はアンソニー・パーキンス)を作成したのだ(1962年)。これは高校生のころ、さる大学の大学祭で上映されたものを見に行った記憶がある。頭の中ではすっかり<ヨーゼフ・K(カー)>だったのが、<ジョーゼフ・ケー>になっていてとまどったことも覚えている。
のちに、カミュの「異邦人」の映画(主演はマルチェロ・マストロヤンニ)を見たら、英語だったのでとまどったこともある。いずれにしても、ドイツ語、フランス語であってもわかるわけないので、あまり意味はないが…
自宅にはカフカ全集I〜III(新潮社)がある。これは確か全6巻本だった気がする。小説はIIIまでなので、そこまでを揃えたはずである。今奥付を見たら、I(城)は、昭和28年2月28日発行、昭和40年6月10日5刷、定価700圓(“価”は旧字)、II(審判、アメリカ)は昭和28年4月30日発行、昭和40年6月30日6刷、定価750圓、III(變身など)は昭和28年7月31日発行、昭和40年6勝ち30日6刷、定価750圓となっている。大学生のころ、渋谷の大盛堂で買った記憶がある。もちろん、まだ全部を読んでいない。そのうちに全部を読み直したい。
2003年7月記