イルカ・クジラ学

イルカ・クジラ学 イルカとクジラの謎に挑む 村山司・中原史生・森恭一編
東海大学出版会 2002年12月 ISBN4-486-01593-2 2,800円

目次
序章 イルカ・クジラ学とは何か
第1部 イルカ・クジラの能力に迫る
 第1章 イルカは鳴き声で何を伝えているのか−音響行動
 第2章 イルカは何を見ているのか-視覚
 第3章 ネズミイルカの潜水の謎に挑む-潜水生理
第2部 イルカ・クジラの生態に挑む
 第4章 1枚の写真からイルカやクジラの移動を探る-分布生態
 第5章 鯨類が海洋生態系で果たす役割の謎に挑む-摂餌生態
 第6章 ハンドウイルカの行動と社会の謎に挑む-社会行動
第3部 イルカ・クジラ体を探る
 第7章 化石が物語る鯨類の進化と多様性-系統分類
 第8章 イルカの体に秘められたしくみの妙-形態とその機能
第4部 イルカ・クジラの数を数える
 第9章 ハンドウイルカの長期観察に挑む-個体群動態
 第10章 クジラの数を数える-個体数推定
第5部 イルカ・クジラの最新学
 第11章 DNAから探る鯨類の群れ−系統分類
 第12章 ミンククジラの体外受精-繁殖生理

 この本は、イルカ・クジラについての「百科事典」ではなく、著者たちがどのようにイルカ・クジラを研究しているのかという紹介に力点が置かれている。だから、イルカ・クジラについて色々知りたいという目的にはあまり適していない。また、私が非常に興味あるところのマッコウクジラなどの長時間・深深度潜水、そしてそこでの探餌・摂餌行動などについても、まだあまりよくわかっていないことがわかる程度である。でも、鯨類の起源と進化(偶蹄目に近い)については、DNA解析の結果かなりわかってきたようである。

2003年1月記

戻る  home